台湾野菜「水蓮菜」(前編)~産地を訪ねて~

こんにちは。
北海道在住、
食と農のコンサルタント、野菜ソムリエ上級プロの
田所かおりです。

昨年、台湾に行きました。
旅行の目的は、台湾野菜の「水蓮菜」。
いつもながら、ガイドブックに掲載されるような
有名観光地は二の次です。

「水蓮菜」の産地は、
台南から南東に車で1時間ほどの場所、
美濃地区にあります。

美濃地区は客家文化でも知られ、
水田や、ヤシやバナナの木が見られる
自然豊かな地域です。

美濃地区に入り少し走っていると、
水が張られた畑を発見。
「水蓮菜」の畑を見つけることができました。

「水蓮菜」は別名「野蓮」、
Nymphoides hydrophylla (Lour.) Kuntze
和名は「タイワンガガブタ」
ミツガシワ科アサザ属
の野菜です。

近縁種の「ガガブタ」(鏡蓋)
Nymphoides indica(L.)O.Kunttzeは
日本では本州、四国、九州の沼地に生える水草で、
アクアリウムなどにも利用されています。
また、水性植物で多年草であるスイレン(睡蓮)と
発音や見た目は似ていますが、
スイレンNymphaea pumilum Smithは、
スイレン科スイレン属の植物で全く別の植物です。

運良く「水蓮菜」の収穫も
見学することができました。
畑では、ダイバースーツを着た男性達が
株元を手で探り収穫。
それを水面でバシャバシャと左右に振り、
茎を整えていました。

畑の淵に目をやると、
収穫のためか、だいぶ水を抜いた形跡が。
普段は茎が伸びるように
もっと水が入っているのでしょう。

そして、畑から作業場に運ばれた「水蓮菜」は、
大きな水槽で根を切り、

もう一度茎を整理し、

葉を取り除き、茎を整え、

それを計測して、

コイル状に巻き袋に詰められていました。
別の農場も少し見学しましたが、
同じ工程で出荷の準備がされていました。

この一連の工程を興味津々で見学していたところ、
「水蓮菜」を1束持たせてくれました。

私の身長からすると、
一番長いもので150㎝ほどあるかと思います。

この後、水蓮菜の茎や葉など
未利用の部分を使った化粧品類を紹介してくれました。
いわゆる、6次産業化です。

男性のニキビ跡でできたお肌の凹凸が、
これらの商品を使ったことで見違えるほど
綺麗になったVTRを見せてくれました。

試しに手に付けてみてということで、
手の甲にクリームをのばしてみたところ、
確かにいい感じ。
新たな水蓮菜の魅力を知ることができました。

栽培風景が見られれば満足だったのですが、
収穫や出荷作業まで見学でき、
さらには、未利用農産物の有効活用事例までも
知ることができ感動しました。

そして、この日はテレビ取材も来ていて、
撮影現場も邪魔にならないよう見学。

最後に農園の皆様と一緒にパチリ。
大変満足した産地見学でした。

前編はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。

台湾野菜「水蓮菜」(後編)~市場と料理~
よろしければご覧ください。

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