ツートンカラーが美しい伝統野菜「横川大根」@鹿児島県霧島市

こんにちは。
北海道在住、
野菜くだものハンター、野菜ソムリエ上級プロの
田所かおりです。

今日は、鹿児島県の伝統野菜
「横川大根」のレポートです。
「桜島大根」「開聞岳大根」「国分大根」と続いて
4本目です。

「横川大根」を栽培されている、
霧島市の竹子の里 山下農園 山下博孝さんの
畑にお邪魔しました。
山下さんはお米を合鴨農法で生産されている、
名の知られた生産者さんです。
農業の他にも、
「鹿児島のプールには屋根がある」
「お墓の生花を絶やさない」など
鹿児島あるあるを沢山教えて下さって、
とっても面白かったです!

山下さんは、「横川大根」を作り始めて6年。
所属されている無農薬野菜の会の中で
伝統野菜の生産を取り組むことになり、
元々一般的な大根を生産されていたこと、
「横川大根」が地元の伝統野菜であったことから
「横川大根」を作り始めました。

本来の形質とは異なる
真っ白な大根が出来たり、
上手く仕上がらなかったりと、
ご苦労があり一時は作るのを辞めようかなと
思われたこともあったそうです。

「横川大根」は、別名「横川ツバメ」
「横川ツバメグッ(口)」
「赤ダイコン」と呼ばれています。
ツバメという言葉が使われているのは、
播種から収穫期までが
飛んでるツバメのように早いという例えや、
根部の上部の色がツバメの羽の色、
腹部の白色に似ているためだそう。

また、「横川大根」は大正時代に
時任正一郎という方が、
地ダイコンの中から形状、品質の
優れた系統を選抜して、種を供給したことが
始まりとされています。

早生で育つのが早く、
播種は9月から10月上旬に行い、
11月下旬から収穫ができると言われています。
今回取材した他の伝統野菜の大根より
早く収穫ができますね。

2月上旬に伺った山下さんの畑の大根でも、
大体の出荷が終わっていました。

ご好意で、山下さんの畑でも
大根を抜かせていただきました。

すーっと抜けました!
ここ数日間の間に抜いてきた大根の中で
一番抜きやすかったです(笑)

大根を洗って頂きました。
紫色と白のコントラストの美しさが際立ちます。
大根の根の先を切ってみると「す」が入っているか
判るそうです。

「横川大根」は近くのスーパーや直売所、
地元の給食にも出荷されているとのこと。
伝統野菜を給食で食べられるのは、
本当に羨ましいですね。

種についてもお話してくださいました。
今は、物産館で非常に質の高い種が手に入るので
その種を使っているとのこと。
採種にも取り組まれているそうですが、
忙しい時期と管理の時期が被ってしまい
なかなか難しいといいます。
今後は選抜技術の確立も
課題にあげられていました。
確かに、どの株を残すかで後々の代まで響くので
なかなか大変かと思います。

種を絶やさないためにも、
地域で上手に維持、採種されている方が
選抜のポイントを伝授してくださるといいですね。

自宅に帰って「横川大根」を使って
作ったメニューはこちら。

「横川大根と鹿児島カンキツのなます」
美しい横川大根の紫色の皮をメインで
使ってみました。
さっぱりシャキシャキで美味しくいただきました。

翌日まで冷蔵庫で保管してみたところ、
なんと、酢に色素が溶け出し、
全体的にピンク色のなますに大変身!

写真を撮影するのを忘れましたが、
ピンクのなますもおすすめです。

煮物など別の調理法も試しましたが、
どの調理法でも美味しくいただける大根でした。

サツホク(鹿児島県の北側)で、
「横川大根」をみつけたら、
ぜひ召し上がってみてください。

今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。

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