屋久島の伝統野菜「親くいいも」@鹿児島県屋久島町

こんにちは。
北海道在住、
野菜くだものハンター、
やさい直売所コンサルタントの田所かおりです。

今日は、里芋「親くいいも」のレポートです。
「親くいいも」は屋久島の伝統野菜です。

来歴は不明で、
栽培開始時期も定かではないとのことですが、
鹿児島県のHPによると、
戦前からあるという証言が掲載されています。
地域で作り続けられてきたのですね。

園主の許可をいただき、
屋久島町役場の大堀さんに畑を
ご案内いただきました。

茎が紫色がかっていて、
芋の株から出る茎の本数は少な目です。

これが親芋。

これが子芋、孫芋もあるでしょうか。

里芋の形は丸っこい形をしていますね。

栽培は、種芋を3月に植え、
10月くらいに収穫を行います。
近年は、似たような利用のされ方をする
「ミアケイモ」という名前の
里芋を作る方が増えているとのこと。

「親くいいも」は
「親食い芋」とも書かれる通り、
親芋を食べる里芋とされています。

ということは、植えた株数が収穫個数なので、
収量があまりとれないのが
難点なのかもしれません。

2つ前のブログで紹介した「かわひこ」も
屋久島伝統野菜の里芋で、
親芋を食べるのですが、
お正月に食べるお芋として、
また、他にない食感であることから、
島の方には知られた存在で、
知名度もそこそこだと聞きました。
直売所のお姉さま方もご存じのご様子でした。

一方、大堀さんによると、今回の聞き込みで
「親くいいも」は知っている方が
ほとんどいらっしゃらなかったそうです。

複雑な気持ちのまま畑を後にし、
「親くいいも」が販売されている
直売所に向かいました。

生産者3名で出されている、
無人市です。

「親くいいも」という表記はありませんでしたが、
管理されている方と、
大堀さんの情報を合わせ、
販売されている里芋が「親くいいも」と判明し、
親芋と子芋、両方を購入することが出来ました。

持ち帰って写真撮影です。

手で持ち上げているものが子芋、
奥に写っているのが親芋です。

半分に切ってみるとこんな感じ。

繊維はあまり見えません。

子芋を頂いてみました。
癖がなく、しっとりなめらかな里芋でした。
後で食べた親芋の方が
ホクホクしていました。

屋久島では里芋の経済栽培がなく、
自家用での栽培になるため、
どんどん栽培する方が減っていって
いずれは無くなってしまうのではないかと。

必要とされるものが残るのが
自然なのかもしれないですが、
品種の多様性は食を豊かにしてくれるはず。

こういった
地域で生活と共に受け継がれてきた品種は、
生産コントロールが難しいと思いますが、
なんらかの形で、後世につなげて
いって欲しいものです。

今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。

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