食卓に欠かせない!伝統野菜「薄皮丸なす」の味わい深さ@山形県飯豊町

こんにちは。
北海道在住、
野菜くだものハンター、
食と農のコンサルタントの田所かおりです。

今回は、山形県の伝統野菜
「薄皮丸なす」についてのレポートです。

山形おきたま伝統野菜の一つです。

「薄皮丸なす」は、
皮が硬い「窪田なす」の改良種が
地域に広まったものだとか、
50年以上前に宮内町(現南陽市)の篤農家が
新潟の行商人から仕入れた種「沖田なす」が
広まったものなど、
置賜地域一円で広く栽培されているせいか、
その来歴も複数伝えられています。

そして、この「薄皮丸なす」との出会いは、
突然でした。

「宇津沢かぼちゃ」を求めて、9月中旬に
訪ねた、宇津沢かぼちゃの里の皆さまに
お話を伺っていたところ、
「薄皮丸なす」の漬物、食べてみて!
ということで、目の前に現れました。

それがこちら。

「薄皮丸なす」の定番のお漬物です。

食感がパリッと、プチっとして
歯触りがよく、美味しい漬物です。

まさか、栽培されていないですよね?と
伺ったところ、
メンバー皆さまがそれぞれ
自家消費用に栽培されている
というではないですか!
幸運にも、こういった流れで、
山口さんの畑を見せていただきました。

まずは栽培について。
種と苗は道の駅などの、
種苗を扱うお店から購入されるそうです。

販売用に生産をされているメンバーの方は、
種から育て、虫がつきにくいように、
ハウスの中で栽培されています。
露地栽培であれば、
自然にハチが来るけれども、
ハウス内には虫が入らないようにしているため、
受粉用にハチを入れています。

畑をみせていただいた、
自家用栽培の山口さんのお宅では、
購入した苗を6月に定植し、
あとは、特に目立った栽培管理は
されないそうです。

収穫は6月下旬から9月くらい。
早い時期の方が、皮がやわらかくて
美味しいそうです。

水分不足になると、皮が固くなるだけでなく、
トゲも付きやすく鋭くなります。

収穫で大変なのは、このトゲだそうで、
手に刺さってしまうと取りにくいとのことでした。

確かに痛そうなトゲです。

栽培は、「宇津沢かぼちゃ」と同様に
電気柵の中でされていました。

食べ方としては、
ほとんどが小さなうちに収穫して、
漬物でいただきます。
スーパーなどでも瓶に詰められた
一夜漬けが販売されています。

山形の方にとっては、お漬物は
食事になくてはならないものです。

「薄皮丸なす」は少し大きく育てて、
揚げナスや炒めナスにもします。
結構おいしいとのこと。

自家用に、別の長なすも作っている方も
いらっしゃいました。

ひょっとして、「薄皮丸なす」の方が
長なすより優先順位が高いのでは?
と思いました。

帰りに寄った道の駅の直売所でも、
4分の1分らいの棚に、
この「薄皮丸なす」がずらり。
「薄皮丸なす」は置賜地域の食卓に欠かせない、
大事な野菜、食文化であると感じました。

◆道の駅 いいで めざみの里観光物産館
所在地:山形県西置賜郡飯豊町大字松原1898

気になった方はぜひどうぞ。

取材にご協力いただきました皆様、
ありがとうございました!

今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。

※参考文献
・『おきたまの伝統食材~豊かな食文化を未来へつなぐ~』 
置賜農業振興協議会発行

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