こんにちは。
北海道在住、
野菜くだものハンター、
食と農のコンサルタントの田所かおりです。
今回は、伊豆大島の在来の
大きくて、味も食感も食べ応え抜群の
「オオサヤエンドウ」をご紹介します。
まずは、大きさがわかりやすいように、
比較写真を。
左が「オオサヤエンドウ」
右が「キヌサヤエンドウ」です。
伊豆大島農業生産組合
代表理事 藤田 光正さんのご案内で、
3月下旬に畑にお邪魔しました。
伊豆大島では、「キヌサヤエンドウ」の
栽培が盛んですが、
10年前に「オオサヤエンドウ」の生産組合を
立ち上げ、本格的に生産に取り組み始めました。
種は大島在住のカサマさんが持っていた系統で、
東京都の普及所が固定化し増殖したもの。
さやが10㎝以上になる大型のサヤエンドウで、
伊豆大島のみで栽培されています。
ちなみに、
20年ほど前にも「キヌサヤエンドウ」よりも
食味が良いということで、
町内の生産者が自家採種により
維持していた「オオサヤエンドウ」を
生産する取り組みがされていたそうですが、
その頃の系統はばらつきがあったそうです。
「オオサヤエンドウ」の播種は、9月。
収穫時期は、寒さに弱いので
ハウス栽培は12月から4月にかけて、
露地栽培は4月から7月くらい。
ほとんどの方がハウス栽培だそうです。
島の北側より南側の方が気温が4℃ほど
高い時もあり、
島内でも生育が異なるようです。
シーズン最初の頃は、株が育っていないので、
少し小ぶりのものができ、
株が成長すると実も大きくなります。
(これは「キヌサヤエンドウ」も同じ)
最初に伸びた茎が2mくらいまで伸びると
下の方から脇芽が出て、収穫ができるそう。
一方、「キヌサヤエンドウ」は
最初に伸びた茎のみ。
そのため「オオサヤエンドウ」の収穫期間が
長く栽培しやすいとのこと。
「オオサヤエンドウ」は連作障害もほぼなく、
作りやすいそう。
豆のさやの成長は早く、
このくらいだと、翌日か翌々日には収穫の
タイミング。
こちらがLサイズとMサイズ。
「キヌサヤエンドウ」に比べ
とても大きいです。
熱湯をかけてパーッと鮮やかな緑色にして
簡単に食べられるとのこと。
収穫や選別も実が大きいことからから
「キヌサヤエンドウ」に比べ
負担が少ないそうです。
ちなみに、「オオサヤエンドウ」は
1㎏で40~50ほどなのですぐに
収穫ができるけれども、
「キヌサヤエンドウ」は
30分くらいかかるそう。
栽培用の種は各自が採種するとのことで、
こちらが採種用の株です。
写真だとわかりにくいかもしれませんが、
実がふくらむと、より存在感があります。
いただいた「オオサヤエンドウ」を
ちょうどホテルの食事で提供された
お鍋でいただきました。
さっとお湯にくぐらせたら、
より鮮やかな緑色に。
程よい食感、食べ応えがあり、甘みもあって
とても美味しかったです。
「キヌサヤエンドウ」との比較としては、
(サヤエンドウにも色々ありますが・・)
こちらの「オオサヤエンドウ」は
繊維質ではないという意味で
軟らかさがあり、
それでいて肉厚のため食感があり、
苦みやえぐみはなく
甘みが感じられました。
「オオサヤエンドウ」は
伊豆大島島内では販売しておらず、
主に東京や千葉に出荷されています。
飲食店や野菜売り場で見かけたら、
とってもラッキ―です。
ぜひ召し上がってみてください。
◆一般社団法人 伊豆大島農業生産組合
http://www.izu-o-shima318agri.or.jp/index.html
今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。