こんにちは。
北海道在住、
食と農のコンサルタント、野菜ソムリエ上級プロの
田所かおりです。
今回は、江別市角山にある養鶏場
「太田ファーム」さんのレポートです。
美味しい卵を求めて、養鶏場横の直営店舗に直接行って参りました。
国道275号線を札幌方面から進み、厚別川を渡り、
2つ目の信号を左折、300メートルくらいのところにあります。
こちらでは、看板横ののぼりにある通り、
赤玉の「もみじたまご」が生産されています。
「もみじたまご」は、岐阜県にある後藤孵卵場で開発された
純国産の鶏種「ゴトウ130」が産んだ卵のこと。
ちなみに、後藤孵卵場では「さくらたまご」を産む
鶏種も作出されています。
一般の卵用の鶏種として有名なのは白玉の「白色レグホン」。
こちらは、イタリアで作出され、アメリカで改良された品種。
国内で生産される卵の9割以上が「白色レグホン」をはじめ
海外で品種改良された鶏種ですから、
純国産の鶏種「もみじたまご」からこだわりの片鱗が伺えます。
店舗の中はこんな感じ。
卵はエサの違いで3種類、大きさ、個数によって
様々なタイプの商品がありました。
家族の人数が多ければ箱買いがお買い得ですね。
生卵だけでなく、燻製卵やつくね、
お米(巴農場!)や加工品も販売されていましたよ。
では、卵のご紹介です。
この3色綺麗ですよね!
卵黄の色の濃い順に、
「ファフィ卵」、「キチン卵」、「ココットレッド」です。
ややこしいですが、全て「もみじたまご」です。
「ファフィ卵」は、エサにファフィア酵母を与えたもの。
ファフィア酵母とは、広葉樹の樹液から分離された天然の酵母で、
アスタキサンチンを高濃度に作り出すのだそう。
アスタキサンチンといえば、
私は富士フィルムの化粧品を思い出しましたが、
サプリメントでも販売されている成分ですね。
赤色系カルテノイド色素の一種で、
ビタミンEの1,000倍もの抗酸化性を持つことが知られています。
この濃いオレンジ色、いや朱色は、
アスタキサンチンによるものだったのですね。
ファフィア酵母を説明するHPに、
目標とする卵黄色があるのですが、
太田ファームさんのファフィ卵はそれよりも
明らかにオレンジ色が濃い、いや朱色です。
アスタキサンチンが赤色色素ですから、
赤が濃いほど濃度も高いということ。
凄い卵ですね。
これだけのエサを食べている鶏の健康状態も良いのでしょう。
次は、「キチン卵」。
「太田ファームでは18年前から親しまれている
卵かけごはんのためのたまご」とのことです。
こちらは、エサにキチンキトサンを与えたもの。
キチンキトサンも一時期CMでよく耳にしましたが、
カニやエビなどの甲殻類に含まれる多糖類で、
キトサン入りビスケットのトクホもあったりします。
許可表示は
「コレステロールへの体内への吸収をしにくくする食品」。
抗菌作用もあるようですから、こちらも鶏の健康に良さそうですね。
また、黄身の色は天然のパプリカを与えているからとのこと。
パプリカは野菜の中でもビタミンC含量が高いですし、
黄色色素ならαカロテン、赤色色素ならカプサンチンと、
両方とも抗酸化作用を期待できる色素です。
3つ目が「ココットレッド」。
エサにはトウモロコシの他、米ぬか、
おからを発酵させたもの、ガーリックなどを与えているそう。
上の二つに比べると普通に感じてしまいますが、
「もみじたまご」ですからそれだけでも価値を感じますね。
試しに、お箸で卵黄をつまんでみました。
(CMなどでよくある(笑))
全く敗れる気配なしでした。
3種の卵黄の色の違いをもっと分かりやすくするため、
お箸で突っついてみましたよ。
鮮やか。
まるでパレットのようで美しいです。
写真の色が簡単に操作できてしまうので、
比較のために、たまたまあった伊予柑と八朔を置いてみました。
色素自体が健康成分でもありますから、
抗酸化作用を求めるなら、どれがいいかと聞かれたら、
断然「ファフィ卵」かなと思います。
では実食です。
新鮮卵といえば、やっぱりTKG!
卵かけごはんではないでしょうか。
ででーん!
巴農場の「ゆめぴりか」のあつあつご飯に
太田ファームの「ファフィ卵」をのせてみました。
江別食材のマリアージュ(笑)。
やはり黄身が赤いですね。
混ぜても色が薄くならないです。
見た目の色のインパクトとは違って、卵の味は優しい感じ。
黄色を濃いめに出したいお料理やお菓子には
もってこいだと思います。
そしてお次は、上の3色比較で割った卵を
そのまま使ってオムレツにしました。
奥の緑色は寒じめホウレンソウのソテーです。
オムレツもオムライスも自分で作る時は半熟派です。
ん-!とろっとまろやか。
国産鶏「もみじたまご」、あなたが食べたい卵は、
どの卵でしたでしょうか。
㈱太田ファーム
所在地:江別市角山189番地
http://ohtafarm-tamago.com/
ちなみにファフィ卵は、
ミシュランガイドに掲載されている
「鮨・肴匠 くりや」さんの出汁巻き卵でも使用されていましたよ。
気になられた方はぜひどうぞ。
今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。