「to berry farm」@当別~甘いイチゴ狩りと先進農業~

こんにちは。
北海道在住、
食と農のコンサルタント、野菜ソムリエ上級プロの
田所かおりです。

当別町「北欧の風道の駅とうべつ」のすぐ隣にある
イチゴ観光農園の「to berry farm」さんのレポートです。

こちらの絶品イチゴとの出会いは先週のこと。

机に置かれたイチゴのパックからとっても甘い香りが漂い、
まるでアロマでも炊いているかのようで、
イチゴを一口食べてまたびっくり。
生のイチゴの後味からジャムを連想したのが初めてで、
本当に驚きました。
ちなみに品種は「よつぼし」です。

お話を伺うと、
「to berry farm」は農業・畜産分野のハウス・空調などの
アグリビジネスを手掛ける加茂川啓明電気㈱が設立し、
農業法人かもけいアグリ㈱が運営されているイチゴ農園。
昨年3月に開園し、先月から「イチゴ狩り」が始まりました。

しかも栽培には、温度、湿度、液肥、光などを管理する
環境制御システムが導入(いわゆるICTを活用した先進的農業)
されていて、
省力化を実現しているそうなのです。

絶品イチゴ狩りに先進農業。
興味が湧かないはずがない、のです。

・・・そして・・・

はい、到着しました(笑)

3棟あるハウスのうち、どうやら
一番左の(道の駅側)のビニルハウスで
受付をしていそうな感じです。

恐る恐るドアを開けて入ってみました。

ハウスの中は甘ーいイチゴの香り。
受け付けと書いてあって、ひとまず安心です。
そして、この日の外の気温は日中でもマイナス10℃ですが、
ハウスの中は暖かいです。

左側がイチゴ購入カウンター、右側が観光農園受付です。
お持ち帰り用は1,000円のパックと、
2,500円用の箱が用意されていました。

私は「イチゴ狩り」希望なので、
スタッフの方の説明を聞き、まずは鞄や上着をロッカーへ。

手指消毒にビニル手袋をして準備OK。

こちらがイチゴ狩り用のパックです。
ハウス内で食べる事を計画されていたそうですが、
コロナ禍のため、摘み取りのみにしたそうです。
このパックの蓋がちゃんと閉まる量(ここポイント!)を収穫できます。
ちなみに1,500円也。

まずは、収穫についてスタッフの方からの説明です。

その一、収穫の仕方。
収穫のポイントを実演しながら教えてくださいます。

軽く包むようにイチゴを持って
手首をくっとまげて、ヘタと軸を外すように収穫します。

その二、美味しいイチゴの特徴
みずみずしく赤黒く光るもの。
くすんだ黒はNGです。
ヘタがくるっと上向きに反っているもの。
(これは完熟した印ですよね。)

その三、蜂について
ハウス内には授粉用の蜂の巣箱があるので触らないこと。

ちなみに、
巣箱があるので蜂が沢山飛んでいるのかと思ったのですが、
よく探さないと見つけられないくらいでした。
蜂は穏やかで、刺激しなければ心配ないでしょう。

では、いよいよ収穫です。

美味しそうなイチゴが鈴生りです。

日光があたっているところは、より一層輝いていて美味しそうです。

収穫途中、代表取締役の佐野さんとお話することができました。
「to berry farm」のイチゴの美味しさの秘密は気温。
冬でも昼間は25℃くらいまで、
高くなる日は28℃くらいまで気温が上がり、
夏は風が通り、平均20℃を超えず、
寒暖差がありイチゴの甘みが強くなるとのこと。

実はこの日も外は少し吹雪いていたのですが、
ハウスの中は徹底した温度管理で、
家の室内よりも暖かいぐらいです。

ちなみに、こちらが温風をハウス内に送る暖房機。
ダクトが懐かしいです。

ハウス側面には扇風機。
5メートルくらい離れていても風を感じました。

イチゴは基本的に通年栽培で、
9月に定植するため、12月くらいから
本格的に収穫シーズンがスタートするとのこと。
摘み取りできない時期でも冷凍品を使用した商品を
販売される予定とのことなので、
通年美味しいイチゴが楽しめますね。

大きなイチゴの探し方のポイントも伺いました。
お客様が入るとやはり大きなイチゴが人気で
目に入るところに実っているものは
すぐに無くなってしまうのだそう。

がしかし、
株の中(葉が茂っているところ)には目が届かないため、
大粒のイチゴが意外と残っていることが多いそう。
それがこちら。

いいことを聞きました。
これから訪問される方は株の上から覗き込むように
探すのがポイントですね。

「よつぼし」は傷がつきやすいこともあり、
一度触ったら収穫するというルールなので、
どのイチゴを収穫するかよく見極めてから手をのばしましょう。

そして、収穫できる体積が決まっているので、
パックの限られた空間にいかに美しく
隙間を少なく配置するかが勝負かと(笑)
私は、ヘタ部分を下にするのではなく、
「よつぼし」が綺麗な円錐形なので、
パックに寝かせて大小混ぜて詰める作戦をとりました。

こちらが私の作品(笑)です。

スタッフの方から上品に詰めていると
お褒めの言葉をいただきましたよ。

重量では400gが目安とのこと。
416gはまずまずの結果ではないでしょうか。

ちなみに、蓋が閉まらないと別料金が発生しますので、
よく考えて収穫しましょう。

帰宅してすぐに頂きました。
やっぱり甘い、そして味が濃い。
ですが、試食イチゴのインパクト越えならず。

糖度を測定してみたところ、
10個の平均が12.9度。
そのうち、6個が13度以上。
一番高いもので15.5度ありました。

スーパーのイチゴは糖度が二桁いかないのも普通にありますから、
それと比べたら全然比べ物にならないく程甘いのですが。
試食イチゴのインパクトが強すぎました。

トマトの識別眼には自信があるのですが、
この結果だとイチゴはまだまだ伸びしろがありますね。

次は、糖度15度以上で揃えられるよう
眼を鍛えることが目標になりそうです(笑)

そうそう帰り際にちょうど
道総研と一緒に研究開発に取り組まれている
ハイテク機器を見ることができました。

NHKの夕方の番組で現場から生中継で放送されるため、
研究者の皆様がいらっしゃったとのこと。
なんというタイミングでしょう!

自動で茎をつまんで除去する機械だそうです。

こちらがコントローラー。
ドローンと同じようなものだそう。

操作されてハウスの奥に入って行きました。

しっかり生中継も拝見しましたよ。

3年後の実用化を目指して開発をされているということで、
今後がますます楽しみです!

「to berry farm」
所在地:北海道石狩郡当別町当別太774番
国道337号線沿い 当別の道の駅の隣(札幌側)
交差点信号付近から入れる側道が農園につながっています。

気になった方はぜひどうぞ。

今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。

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