絶滅の危機を乗り越えた幻の「徳山唐辛子」を訪ねて@岐阜県本巣市

こんにちは。
北海道在住、
野菜くだものハンター、
食と農のコンサルタントの田所かおりです。

今回は、岐阜県の伝統野菜
「徳山唐辛子」についてのレポートです。

実は、「徳山唐辛子」を知ったのは、
「弘法いも」の取材の日。
「弘法いも」をご案内していただいた、
道の駅「うすずみ桜の里・ねお」直売所の
店頭に、「徳山唐辛子」を使った色々な
加工品が販売されていたことと、
地元の方が、「唐辛子」として販売されていた
緑色の生の唐辛子を、
たぶんこれも「徳山唐辛子」だと思うと、
教えてくださったからなんです。
もしかして、今収穫時期なのでは?
ということで、
道の駅「うすずみ桜の里・ねお」直売所の
方から、今回お伺いした羽田さんを
ご紹介いただきお話を伺うことができました。

こちらが今回お話を伺った
能郷営農組合 組合長の
羽田新作さんです。

まずは、幻の唐辛子と言われる
所以についてです。
「徳山唐辛子」はもともと、昭和62年に
廃村になった徳山村で作られていた唐辛子です。
今は、その地域はダムで沈んでおり、
ダム建設の過程で栽培する方が居なくなったと
されていました。

そんな唐辛子を羽田さんのお宅で自家用に
作られていたところ、
たまたま市役所の職員さんや営農組合の方が
見つけて、
根尾地域の特産品にしようという働きで、
平成24年に能郷営農組合が立ち上がりました。

そして、伺った日の翌日が
ちょうど目ぞろい会の日で、
今では組合に17名加入されています。

栽培について伺いました。
播種は4月上旬に代表者が行い、
育てた苗を5月半ばに配布。
定植は、6月に入ってから行うそう。
収穫は8月上旬くらいからで、
目ぞろい会は、例年だいたい8月7日。
そこから11月くらいまで続きます。

出荷用に収穫するのはほとんどが赤く着色したもの。
収穫して農協にある乾燥施設で乾燥し、
業務用はそのままの形で、その他のは粉にします。
フレッシュな青いものは乾燥用には向かないのと、
用途と売れ行きが限られるそう。

1個だけ赤く色づいた実を見つけました。

でもこれは、一部傷んでいて
出荷できないそうですが、
色だけでもお楽しみください。

そして、徳山村の方が土地がやせていたそうで、
それよりも少し大きめに育っているそうです。

今年は、早い時期から気温が高く、
樹が傷んでもっと早く収穫が
終わるかもしれないとのことでした。
この地域は、県庁所在地のあるところと
比較して、2~3度低いけど、
昨年から特に暑いそうです。

雪は、子供のころは除雪が必要なくらい
積もったけれども
今は、車が通れないほどは降らないそう。

採種は、樹勢が良い株を残すそう。
20株くらいは残しておくそうです。
赤くなったものから採種し、
乾燥して保管します。

一般的な唐辛子の1.6倍の辛さがある
「徳山とうがらし」を
どのようなお料理で召し上がるか伺ったところ、
ダム湖に沈んだ徳山村の方が食べていた
食べ方を教えていただきました。

その名も「地獄うどん」!
なんでも、生の乾麺を茹でるときに、
「徳山唐辛子」と一緒に茹でて、
鯖缶と醤油を入れていただくそう。
乾麺に辛みのある汁が吸われるので
かなり辛そうですね。

徳山村の冬の寒く、雪が積もる地域だそうで、
この辛いうどんを食べて、
温まっていたそうです。

羽田さんのお宅では、
「地獄うどん」は作らず、
お漬物などに「徳山唐辛子」を使われている
そうです。

「徳山唐辛子」が使われた様々な加工品が
開発されているようで、
私は、道の駅「うすずみ桜の里・ねお」直売所で
「徳山唐辛子」が入った玉こんにゃくを購入しました。

1.6倍の辛さと聞き、恐る恐るいただきました。
辛い物が得意ではない私にとっては、
しっかり辛く、しかし辛すぎて食べられないほどではなく、
美味しく頂きました。

これから冬本番。
「徳山唐辛子」で皆様も温まってみては
いかがでしょうか。

◆道の駅「うすずみ桜の里・ねお」直売所
所在地:岐阜県本巣市根尾門脇433-3
https://michinoeki-fp.jp/article/6401/

気になった方はぜひどうぞ。

取材にご協力いただきました皆様、
ありがとうございました!

今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。

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