![伝統野菜「開聞岳大根」~絶品とろける美味しさ~@鹿児島県指宿市](https://seed-to-harvest.jp/wp-content/uploads/2022/02/IMGP6066-2-scaled.jpg)
こんにちは。
北海道在住、
野菜くだものハンター、
やさい直売所コンサルタントの田所かおりです。
今日は、 鹿児島伝統野菜「開聞岳大根」
のレポートです。
「開聞岳大根」は松原田集落に
古くから伝わる巨大な大根で、
1990年に開かれた品評会で「開聞岳大根」と
命名された大根です。
別名、茎葉が傘をさしたように根の部分を
覆っているため、地元では通称
「葉かぶりダイコン」とも呼ばれています。
名前にある開聞岳というのは、
鹿児島県の薩摩半島の
南端に位置する標高924mの活火山で、
とても美しい円錐形で薩摩富士と称されます。
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こちらの砂浜近くで待ち合わせ。
この砂浜、
ブラックサンド&ペリドット(宝石)なんです。
素敵でした。
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こちらが「開聞岳大根」を栽培されている
ユーファーム株式会社の
浦野敦さん・良美さんご夫妻です。
東京から移住され、
有機農業と宿泊業の二刀流をされています。
指宿は、旦那様のお母様のご実家で、
小さい頃遊びにいらしていたそう。
畑を引き継がれ、今年で就農6年目。
2018年に有機認定を取得されました。
お伺いした時は、
指宿市が出荷リレーのスタート地である、
スナップエンドウとそら豆も見せて頂きました。
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スナップエンドウは収穫期。
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ソラマメは自然に露地で発芽させるので、
3月終わりごろから収穫時期を迎えるそう。
畑をご案内いただいて、
一番驚いたのは、畑の土。
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このタイプの土は初めて見ました。
開聞岳の噴火でこの礫が堆積してできたもの。
水はけの程度を観察してみてとのことで、
畑にバケツ一杯の水を流してくださいました。
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水が広がらず、水が吸いこまれていきました。
例えるなら、珈琲のドリップくらいの
速さでしょうか。
畑の特徴として、水はけは良いけれども、
肥料抜けが早いといいます。
また、夜耕していると、トラクターの刃から
火花が出るのだそう…
驚きです。
いよいよ「開聞岳大根」とご対面です。
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今年の「開聞岳大根」の生育は、
暑くて雨も降らなくて、
発芽して枯れる、また種を播くという
厳しいものだったそうです。
「開聞岳大根」はお彼岸時期に播種をしないと、
大きく育たないそう。
晩生系統の宿命ですね。
畑に育つ大根の生育はばらつきがあり、
いつもなら2月初めには15㎏くらいあるそうで、
100本くらい収穫できる予定が、
今年は今まで育てた中でも大きいもので15㎏。
なかなか過酷な気象状況だったようです。
大根の大きさは味に影響するそうで、
ある程度大きくないと
本来の味の良さ軟らかさが出ないといいます。
大きく育てるためには、播種の時期の他に
株間も関係します。
「開聞岳大根」の株間は1メートル。
青首大根と同じ株間でつくっても、
美味しくて大きな大根には育ちません。
「開聞岳大根」の特徴は、
葉っぱが根にかぶさるので、
肌が青くならないこと。
冒頭にも紹介した、
「葉かぶりダイコン」の名前通りですね。
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畑に育つ大根は、根の部分が見えないのですが、
こうして葉をめくっていただくと、
結構土から白い部分が出ていることがわかります。
面白いですね。
ご好意で、大根を2本抜かせていただきました。
(とっても楽しかったです!)
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結構手ごわいと思っていたら、なんと二股(笑)
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2本目はこんな感じでした。
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重さは、
こちら1本目、9.8㎏。
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こちら2本目、4.6㎏。
なかなかの大きさです。
過去には、1990年の『広報かいもん』に、
~松原田大根を特産品にしようと品評会が
開催されました。
当時も栽培面積が減り、五百戸ほどの農家が自家用に
5ヘクタール栽培しているほど。
原種は定かではないが、150年くらい前から松原田集落を
中心に開聞岳山麓で栽培されてきたもの。
まん丸な桜島大根に対し、直径20㎝ぐらい、
長さ50㎝くらいの紡錘形で、
1本7㎏にもなり普通の大根の5倍はある。
この大根は甘く(糖度4度ぐらい)身が軟らかいため、
つるし大根や煮つけ、即席漬け、製菓用として
大変重宝がられていた。~
とありました。
大きさについては、『地方野菜大全』では、
5~8㎏とありました。
浦野さんが持っていらっしゃる系統は、
大き目の系統のようですね
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種を見せていただきました。
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サヤも種も予想以上に大きく、迫力があります。
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伝統野菜は、種の継承が途絶えてしまいかねない
状況のものが多いと伺いましたが、
こちらの「開聞岳大根」、
「生きていれば植え続ける!」と、
とても頼もしく、嬉しいお言葉をいただきました。
大根の大きさゆえ、普通に販売しにくいとのことで、
宿泊のお客様の収穫体験と、
いずれは加工品として商品化されるとのこと。
とても楽しみです。
自宅に帰り、
2本目に抜いた大根をいただきました。
今回の訪問をアレンジしてくださった方からの
情報では「開聞岳大根」がトップレベルで
美味しいとのこと。
それならば!ということで、
スタンダードな大根料理、ぶり大根を作りました。
ちなみにブリは九州熊本産のもの。
お醤油は鹿児島で購入した甘いお醤油を使いました。
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大根は、とろけるほど肉質が軟らかく、格別。
青首大根とは比べ物にならないくらい美味しいです。
これはいけない…、
もう青首大根の煮物には戻れないかもしれない。
そう思った食卓でした。
頂いた有機栽培のスナップエンドウも
とても美味しかったです。
ありがとうございました!
◆ユーファームUfarm
https://www.facebook.com/ufarm.kaimonkawashiri/
農産物の購入はこちらからも。
ufarm.base.shop
今回訪問させていただいた浦野さんご夫妻が
営む一棟貸し切りのお宿もぜひ。
◆木の匙
〒891-0602鹿児島県指宿市開聞川尻5451
https://www.facebook.com/kinosaji.kaimonkawashiri/
https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/181046/181046.html
![](https://seed-to-harvest.jp/wp-content/uploads/2022/02/IMGP5990-2-460x306.jpg)
気になった方はぜひどうぞ。
大根の概念が変わるかもしれません。
今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。