こんにちは。
北海道在住、
野菜くだものハンター、
やさい直売所コンサルタントの田所かおりです。
今日は、「屋久島縄文ファーム」さんの
ご紹介です。
屋久島空港から上屋久屋久線を
南へ約2.7㎞にある農産物直売所で
自ら育てられた野菜を販売されています。
屋久島に降り立って、引き寄せられるかのように
ふらっと立ち寄りました。
出迎えてくださったのは、
ご自身を「おばちゃん」と呼ぶ明るい平田さん。
屋久島のクリーンな環境の中、
出来る限り農薬を使わず作られた野菜や果物で、
少量多品目販売されています。
その数、年間120種類以上。
春夏秋冬で野菜の種類が違うそう。
お話をしていてすぐに試食のグリーンサラダを
出してくださいました。
見るからに新鮮。
ドレッシングはストロベリーグアバを
使って手作りされたもの。
食べてみると、
見た目以上にシャッキシャキ。
元気なお野菜です。
そして、癖のない透き通ったお味でした。
私は野菜アレルギーではないので判りませんが、
「野菜アレルギーのある方が食べられました」
というお声をいただいているというのも、
納得です。
これらのお野菜は、
全て平田さんご夫妻で生産されたもの。
(春は山で採れた山菜も並ぶそうです)
屋久島は日本列島をまあるくしたような気候で
栗生(時計でいうと8時くらいの場所)は
寒くない。
一つの島の中で寒暖差がある。
直売所のすぐ近くに畑があるのですが、
ここ長久保集落は野菜を作るには
一番最低な場所といいます。
最高かと思いきや、最低。
何が最低なのか尋ねると、
雪がふるし、あられがふる。
海から吹いた風が、
昔鉱山を掘っていた場所があってその絶壁に
しぶきが上がってあられが落ちてくる。
そんな場所だそう。
「近くに畑があるからよかったら見ていって、
おっちゃんがいるから」
ということで、
お言葉に甘えて裏の畑へ向かいました。
この辺りかなとキョロキョロしていたところ、
旦那様と思しきお姿があったので、
お声がけし、畑を見せて頂くことに。
こちらが、平田耕作さんです。
聞けば、平田さんご夫妻が農業を始められたのは、
ちょうど10年前。
57歳の時に脱サラされ、
2021年11月で10年目を迎えられました。
今使っている畑は、以前耕作さんのお父様が
パッションフルーツを栽培されていた場所。
5メートル間隔でコンクリートの塊が設置され
ワイヤーが結んであり、
それらを撤去する作業から始められたそう。
屋久島の気候でのびのび繁茂する
草木の撤去もあり、
きっと大変だったことと思います。
現在の畑はこんな感じ。
季節に合わせて、葉物などは作型を細かく分けて
収穫期が被らないように栽培されていて、
畑には様々な成長段階の株がありました。
野菜達を優しい顔で眺めながら、
「野菜の成長していくのを見るのが楽しみ」と、
笑顔で仰っていました。
会社員をされてた頃は転勤族で、
その時道の駅で見てきた珍しい野菜、
屋久島で作られてないものを選んで
栽培されているとのこと。
畑には色鮮やかな野菜が沢山あり、
作られている野菜の選択にも
こだわりを感じました。
中でも、私はエシャロットのお花は初めてで、
こんなに可愛らしいお花が咲くのかと、感動。
こちらのエシャロットは、
2玉しか植えてないそうですが、
どんどん分げつして増えているそう。
この場所の気候が合っているのでしょう。
増えていくといえば、バナナ。
平田さん曰く、バカバナナ(笑)。
ちゃんと普通のバナナにならない、
食用に適さないバナナ。
貰ってきて植えて、繁殖力だけが旺盛とのこと。
今は風よけとして活躍しているそうですが、
雨が降ると雫が落ちて
小さな作物に影響があるんだそう。
バナナもぐんぐん育つ豊かな場所なんですね。
その他にも説明いただきながら
畑を一周しました。
ベビーリーフ用赤アマランサス
「レッドベルベッド」。
「アスパラ菜」。
カラー大根「紅三太」。
こちらは、「おかわかめ」。
1年中枯れないとのこと。
この株は数年前に植えたものだそう。
てっきり1年草だと思っていまして、
勉強になりました。
枯れないのはいいですねとお伝えしたところ、
逆に枯れないと撤去するのが大変、というお答えが。
確かに、ずっと繁茂し続けていったら厄介だなと。
北海道は冬が来ると、
一度リセットされるものがほとんど。
所変われば悩みも変わるものですね。
こちらは、紫ヤマイモのむかごです。
葉や茎のどこかが紫色をしているのかと
予想していたのですが、緑色でした。
夏場の緑のカーテンに
おすすめしてくださいました。
こちらは、「万願寺唐辛子」。
ハラペーニョをはじめ、数種類の唐辛子、
この他に、こぶ高菜、オレンジ色のカブ、
ロメインレタス、からし菜など、
様々な野菜がありました。
当たり前ですが、作型も北海道と違って、
こちらでは、ブロッコリーは
11月下旬ごろに種をまいて、2月位に定植され、
5月くらいにかけて収穫されるそう。
北海道と真逆です。
また、近年は気温が高くなって
発芽の問題が出てきているそう。
9月位に播いていた種も、
10月にならないと発芽しないといいます。
特にニンジンやパクチーが発芽不良だそう。
気候変動が発芽にも影響を及ぼしているのですね。
数日後、注文していた紫ヤマイモのむかごを
受け取りに伺いました。
そしたら、なんと、大きな大きな紫ヤマイモも
掘っていてくださっていました。
感激です。
また、ストロベリーグアバの苗も持って行って!
と、写真の苗もいただきました。
ストロベリーグアバはお店の前にも木がありまして、
大きくなるとこんな風な姿になるようです。
北海道でうまく育てられるか少し心配です。
ハンダマは、水に差しておけば根が出てくるから、
育ててみてと。
沢山いただいてしまいました。
ありがとうございます。
お礼を伝え、直売所を後にしました。
自宅に帰って、紫ヤマイモを撮影。
この大きさ。
すごいですよね。
そして、こちらが紫ヤマイモのむかごです。
持ち帰ったお野菜は屋久島のパワーを
感じながらありがたくいただきました。
ストロベリーグアバも、
ハンダマは、室内管理のためひょろひょろですが、
元気に育っています。
みなさんも、
自然豊かで空気も水も綺麗な屋久島で、
平田さんご夫妻の優しさに育てられたお野菜を
召し上がってみてはいかがでしょうか。
希望されれば、
畑の見学もさせていただけると思います。
◆屋久島縄文ファーム生産者直売所
所在地:鹿児島県熊毛郡屋久島町船行1045-270
※屋久島空港から国道を南に行くと、右手にあります。
※猫好きさんにもおすすめ。
また元気をもらいに屋久島へ行きたいです。
今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。