こんにちは。
北海道在住、
食と農のコンサルタント、野菜ソムリエ上級プロの
田所かおりです。

熱研訪問に関する記事、第2弾です。
(※熱研の紹介はこちらをご覧ください。)

石垣島にある熱研では、
海外の発展途上国の発展を目的とした研究の他、
気候特性を活かし、
品種の維持管理、種子の保存が行われています。
5年に一度、種の更新がされます。

今回は、代々のJIRCASの研究者が開発登録され、
品種の維持管理が行われている豆類2品目について。
庄野真理子氏にお話を伺うことができました。

まず、本記事のタイトルに対する答えは、
「シカクマメ」です。
トップの写真はシカクマメの若いさやです。
とってもかわいいです。

「うりずん」はシカクマメの品種名です。
シカクマメ=「うりずん」というくらい、
浸透している品種名とのこと。

うりずんという言葉は
若夏の季節という意味で、
石垣では3~4月くらいの季節のこと。

沖縄の言葉で、潤い初め(うるおいぞめ)が語源で
若葉がいっせいに咲き、草花はその彩りを増して
大地を潤していく、そんな様子が目に浮かぶ言葉、
といいます。(沖縄大百科より)
南国ならではの季節を表現した
とても素敵な言葉ですよね。

時候のあいさつにも「うりずんの候・・・」のように、
一般的に用いられているそうです。
(そんな素敵なあいさつ文を受け取ってみたい!)

さて、シカクマメについてです。
シカクマメは熱帯アジア原産のマメ科の植物。
さやの断面が四角形でそれぞれの角に翼状の
ひだがついていることから、
この名前が付きました。
熱帯アジア各地で広く栽培されています。


「うりずん」は、
在来品種の短日性の強さを打破し、
夏至近くても花が咲き、実がなる特性を持つ、
耐暑性品種として開発されました。
というのも、沖縄では夏場の野菜の種類が限られるため。

写真:シカクマメの花

ただ、シカクマメ「うりずん」であっても、
一度休眠してしまうと数か月は花が咲かなくなってしまうため、
7月下旬から8月は収穫できないそうですが、
それでも収穫期間の拡大は
生産者、生活者両者にとって
嬉しいことだったのではないでしょうか。

暑さの他に悩ましいのは
地理的に遭遇率が高い自然災害、台風です。
地上部が傷むと枯れてしまう植物も多い中、
シカクマメは、成長してしばらくすると地中にイモができて、
台風で地上部にダメージを受けても、また出てくるという、
何とも強い作物。
そして、そのイモも食用になります。

しかも、冬場は12月まで収穫できるという、
沖縄では重宝されるであろう
非常に優秀な作物であることがわかりました。
私が沖縄に住んでいたら、
おそらく庭先で栽培していると思います。

次にご紹介したいのが、インゲンマメの
「ナリブシ」、「ハイブシ」です。
(二つ一緒だと、まるでお笑いコンビが出てきそうな…)

今年は栽培する予定がなかったようですが、
なんと、取材のために「ナリブシ」を
栽培してくださいました!

1か月ちょっとでこの状態になるそうです。
(一度温室トラブルで高温47℃にさらされているそう)

インゲンマメもシカクマメと同様に、
沖縄の夏場の地物野菜の不足を補う目的で、
気温が高い時期でも収穫できる品種が選抜されました。

一つ目が平成10年登録の「ハイブシ」、
ハイブシの耐暑性はそのままに、
さやの形状が長く、断面が丸く改善されたのが、
平成20年登録の「ナリブシ」です。

元々インゲンマメは暑さに弱く、
沖縄では、一般的な品種は梅雨に入る
6月頃までしか収穫ができないのですが、
耐暑性品種は、梅雨が終わるくらいまで収穫可能。

ちなみに、実がとまらなくなるのは、
花は咲くけれども花粉が上手く熟さないことが原因で、
そのポイントが最低気温。
従来品種は最低気温が26度を上回るとNGですが、
耐暑性品種は2度高い28度がボーダーとのこと。
2度の違いが、収穫期間2か月もの差を生むということです。
凄いですね。

「ナリブシ」にも販売面で弱点があり、
さやの色の緑色が他の品種に比べ
鮮やかさに欠けるということ。

味はほんのり甘くて美味しいので、
家庭菜園向きではないでしょうか。

沖縄ならではの品種改良の方向性と、
植物ごとの特性と改良ポイントを知ることができ、
また一つ勉強になりました。

熱研第3弾は果物についてです。
お楽しみに。

今日はこのあたりで。
食と農の未来がより豊かになりますように。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事